Vol.8 構造と機能
人それぞれ骨にも個性があり、骨の形状も十人十色です。臼蓋形成不全、変形性股関節症と診断されている人の中でも活動的に動いている方と、その逆に動きを制限せざるを得ない方がいます。
この違いは一体何でしょうか。
【構造と機能】そこにヒントが隠されているのかも知れません。
諦めるのはまだ早い!
「そんなハズはないんだけどな・・・」
「整形外科の先生にそのように言われました。」と過去に何度か報告を受けたことがあります。整形外科の先生が首を傾げるのも無理がありません。レントゲン上では骨の変形が著しい状態なのにスムーズに歩いている・・・理解しがたいことが現実に目の前で起こっているからです。
『構造と機能は相互に関係する』
そんな考え方が徒手療法の世界にあります。
本来は広義に捉えますが、ここでは分かりやすく構造は骨、機能は筋肉の柔軟性や関節の可動域として考えてみます。
もし、骨の形状などの構造面だけで人を見るのであれば、レントゲン上で変形が著しい状態でスムーズに歩けることは ”奇跡” に見えるのかも知れません。しかし、これは奇跡ではなく ”機能が低下していない” からこそ、スムーズに歩くことが出来ているのです。
整形外科でレントゲン撮影をして、骨の変形や屋根のかぶりの浅さを指摘され、手術を宣告される。非常に多いケースではないでしょうか。しかしながら、レントゲンでは構造面、いわゆる骨の形状、また関節の隙間など、骨だけの(構造面だけの)情報で診断されることが多いのが実情です。
「進行する」「手術しか方法がない」と診断を受けている方でも整形外科で軽視されがちな機能面に目を向けてみると、まだまだやれること、やらなければいけないことがありそうな気がします。
ホンの一部の情報でどこまで判断できる?!
前述したように構造と機能は相互に関係し合っているため、骨の変形など構造的な問題の裏側には筋力低下や関節可動域の減少など、機能低下が深く関わっています。
関節の動きや筋力など、からだの機能が著しく低下してしまった場合、構造面にその影響を及ぼしてしまうことも否めません。しかしながら、逆に症状を進行させない(構造を悪化させない)ことに焦点を当てて考えてみると、からだの機能面を回復させることが症状の改善、進行の予防に繋がるのではないでしょうか。
残念なことにインターネットには多くの情報がありますが、その多くは構造面にだけ焦点をあて、「進行する」「いずれ手術することになる」と恐怖心を煽るようなことも書いてあります。
痛みの歴史が長ければ長いほど機能の回復には、それ相応の時間を要することもあります。また、例え手術という選択肢を選んだとしても、機能面が低下してしまった状態とそうでない場合は、術後の経過にも差が出てきます。
骨の形状だけで判断できることはホンの一部に過ぎません。からだに応じたリハビリやケアを通して、からだの機能的な部分にアプローチすること、これこそが症状の改善への道が開ける最善の方法ではないでしょうか。
2011-12-02















